ムンクは何を叫んでいるのか?
「知識があると、絵はもっと面白くなる」誰もが知る名画に隠された48の謎とは?
ゴッホ、モネ、フェルメール——世界的な名画を前にして、どう楽しんでいいかわからない。そんな経験はないでしょうか。
美術史作家・井上響さんの新刊『ムンクは何を叫んでいるのか?』(サンマーク出版)は、誰もが知る名画に隠された48の謎を解き明かす一冊です。
著者の井上さん自身、かつては「絵の良さがよくわからない」と感じていました。中学生の頃には模試で偏差値37を記録したこともあります。そんな井上さんが、なぜ東大で美術史を専攻し、25万人超のフォロワーを持つ名画の伝道師になったのか——その軌跡には、一つの原体験がありました。

井上響(いのうえ・ひびき)
美術史作家、美術史ソムリエ
美術館の企画展には長蛇の列ができます。でも、常設展はいつもガラガラです。美術史作家・井上響さんは、この光景がずっと気になっていました。
「結局、美術への関心が低い。美術を知らない、面白さが伝わっていないからだと思うんです」
東京大学文学部で美術史を専攻した井上さんは、卒業後は一般企業に就職し、しばらく美術から離れた生活を送っていました。転機は2023年のことです。仕事のストレスから、現実逃避としてTikTokを眺めていたとき、あることに気づきました。
「タイムラインに流れてくる動画を見ていて、美術関係で面白いコンテンツがないなって思ったんです。ないんだったら、自分で作るかというノリで始めました」

最初に投稿した動画は納得いかず削除しましたが、3本目の「最後の晩餐」解説動画が10万再生を超えました。そこからセリフの選び方、冒頭3秒の構成、効果音——どうすれば面白くなるかを研究し、改善を繰り返しました。気づけばフォロワーは25万人を突破していました。
その反響を見たサンマーク出版の編集者が声をかけ、誕生したのが本書『ムンクは何を叫んでいるのか?』です。

ムンク、フェルメール、ゴッホ、モネ……誰もが知る名画に隠された48の謎を、謎解き形式で解き明かします。
知識があると、絵はもっと面白くなる。
井上さんが大学で初めて気づいたのは、この単純な事実でした。絵の前でただ立ち尽くすのではなく、背景を知ることで見え方が変わる。本書を読めば、美術館での時間がきっと変わることでしょう。




ムンク『叫び』、フェルメール『真珠の耳飾りの少女』、
ゴッホ『ひまわり』、モネ『睡蓮』など……
誰もが知っているあの名画の
ときにせつなく、ときにミステリアスで、
ときに驚きに満ちた、誰かに思わず話したくなる物語。
世界には、数えきれないほどの絵画がある。
その正確な数は、誰にもわからない。
ただ、1つだけ確かなことがある。
それは、描かれた絵の数だけ
描いた人の人生があり、
そして、絵の中にいる人物の数だけ
語られていない物語がある、ということだ。
そして、我々は
そのほとんどを知らない。
知らないまま、
「美しい」「考えさせられる」と言い、
分かったつもりで絵を見ているのだ。
だが、額縁の外に目を向けると、
そこにはときに、せつなく、悲しく、
目を背けたくなるほど壮絶な物語や
ときに愚直で、切実な愛の物語が隠れている。
ノルウェーの画家・ムンクが描いた
かの有名な『叫び』もそのひとつである。
多くの人は、あの絵はムンク自身が
頬に手を当てながら叫んでいる絵だと思っている。
ところがあの絵に描かれたムンクは何も叫んでいない。
あれはムンクが耳を塞ぐ様が描かれた絵なのだ。
ムンクは叫んだわけではなく、聞いたのである。
彼にしか聞こえない「何か」を……。
本書で紹介するのは、
そんな絵には描かれていない48の
謎に満ちた物語だ。
作者が背負っていた運命。
言葉にできなかった思い。
そして、描かれた人物たちが、
その一瞬を迎えるまでに歩んだ時間。
それらを知ったとき、あなたはもう
以前と同じようにそれらの絵を見られなくなるだろう。
まったく違う絵に見えることすら
あるかもしれない。
そしてその話を、あなたは誰かに
話さずにはいられなくなるはずだ。
【目次より】
◆ムンクは何を叫んでいるのか?/『叫び』
◆この少女は誰?/『真珠の耳飾りの少女』
◆なぜヴィーナスには「へその緒」がないのか?/『ヴィーナスの誕生』
◆「ただの農作業」がなぜ世界的名画に?/『落穂拾い』
◆なぜ世界一高い塔には「誰も住んでいない」のか?/『バベルの塔』
◆なぜゴッホは「満開」のひまわりを描かなかったのか?/『ひまわり』
◆13人全員が「同じ側」に座っているのはなぜ?/『最後の晩餐』
◆メデューサは被害者だった?/『メデューサの頭部』
◆知の巨人・アリストテレスが勝てなかったものとは?/『アリストテレスとフィリス』
◆日本人が「睡蓮」に魅了され続ける本当の理由とは?/『睡蓮』
など










